コンテンツへスキップ

進化といびきの話:なぜ消えなかった?

「いびき」は近くで寝ている人にとって不快ですが、なぜこれが現代人でも起きるのか。
いびきをかく人が淘汰されないのは、何か利点があったのでしょうか。

実は、いびきは進化的に「意味がある」から残ったというより、解剖学的な構造の副産物と考えられています。

●なぜいびきは消えなかったのか

1. 直立二足歩行のトレードオフ
– 人類が直立歩行を始めたことで、気道の構造が変化しました
– 喉頭が下がり、複雑な言語を話せるようになった一方で、気道が狭く曲がりやすくなりました
– いびきは、この言語能力獲得の「代償」とも言えます

2. 致命的な不利益ではない
– 進化で淘汰されるのは「生存と繁殖に著しく不利な形質」です
– いびきは睡眠の質を下げますが、それだけで生存できなくなるほどではありません
– 特に繁殖年齢前後では大きな影響がないため、淘汰圧が弱いのです

3. 複数の要因が絡む
– 肥満、加齢、睡眠姿勢など、後天的要因が大きく関与します
– 遺伝的に完全に除去することが難しい特性です

●太古での意味は?

「捕食者に位置を知らせてしまう」というリスクはあったはずですが、人類は
– 火を使い、集団で寝ることでリスクを軽減していた
– いびきよりも「言語能力」の利益の方がはるかに大きかった

つまり、いびきは積極的な意味があって残ったのではなく、より重要な能力(言語)を得るための避けられない副作用として、進化の過程で許容されてきたと考えられます。